展覧会概要

現代社会には膨大な量の画像や動画、文字やサインといった視覚情報が溢れています。私たちの日常生活は、人間の五感の中でも「みる」という行為に圧倒的に依存しているといわざるをえません。

この「みる」という行為を支える器具として欠かせないのが、「めがね」です。「めがね」という言葉は視力を補うため装着する器具のことですが、「遠めがね」や「虫めがね」といった用例から、レンズも広義の「めがね」ととらえられてきたことが分かります。さらに「色めがね」「おめがねにかなう」などの言葉があるように、「めがね」にはものを見る際のフィルターといった意味も付されていることも注目されます。

本展では、江戸時代後期の日本に一種の視覚革命を起こした、西洋由来の遠近法やレンズを用いた「からくり」にはじまり、列車や飛行機といった近代交通機関がもたらした新しい視覚、第二次大戦後の技術革新によって目覚ましい進化をみせてきたミクロ/マクロの世界の可視化といった、テクノロジーの発達に伴走してきた表現の軌跡を追います。あわせて、人類に普遍的な欲望である秘められたもの、見えないものを露わにする試みについても考察します。